養蚕について
乾繭について
養蚕について
撚糸について
強靭な繊維:繊維の中でも抜群に張力に優れ、水に濡れると更に強くなり耐久性に優れています。
諸(双)撚糸(もろねんし・もろよりいと)/片撚りのかかった糸を2本以上引きそろえ、更に片撚りと反対方向の撚りをかける撚糸。
駒撚糸(こまねんし・こまよりいと)/片撚り(強撚)のかかった糸を2本以上引きそろえ、更に片撚りと反対方向の撚りをかける撚糸。
上記の三種類が絹糸の撚糸の基本です。でもそれ以外にも、無限の組合せの工夫で、壁撚糸(かべねんし・かべよりいと)とか飾撚糸(かざりねんし)
とかいった特殊撚糸の技術もあります。撚糸技術は日進月歩で、今現在も新しい撚糸技術の開発に、当社はもちろん、全国の糸業者は日夜研鑽を重ねて
います。
染色について
「原料染め法」は絹わたの状態で染色し、その染まったわたを糸に引いて織る方法です。
「糸染め法」は糸の状態で染色して織る方法です。
「原料染め法」は別名「トップ染め」とも呼びます。糸にならない内のもっとも最初の段階から染めるという事で「トップ染め」と言うのか?…言葉の
語源は分かりませんが、昔から「トップ染め」と呼んでいます。この方法は、染色方法自体は難しいものではありませんが、染めた「わた」を糸に引く
技術を残している会社が、現在では殆ど消滅しているので、今では非常に珍しいと言えます。全国でも数少ないと思いますが、当社ではその伝統技術を
大切に継承して現在も「トップ染め」を守り続けています。この「トップ染め」は複数の色が混沌と混ざり合う事で、かすみやおぼろのような幽玄調的
な表現に適しています。「糸染め法」は地元米沢産地の主要な染色方法で、ストライプ(縞柄)・チェック(格子柄)等の基本柄の表現や、縦糸と横糸
を別色で織る事で玉虫色の光沢を作るシャンブレー表現などに適した染色方法です。和装で使われる絣染め(かすりぞめ)も「糸染め法」のひとつです
が、かなり手の込んだ染め方といえます。一般に和装でいうところの紬やお召しや帯類、男物の着物などは先染めが多いようです。
織りについて
整経(せいけい)
経糸を整えるという意味です。織物に必要な経糸本数を並べ、シートに引き揃えます。織物の巾にもよりますが、経糸の本数は数百本から数千本、長さ
は数十mから数百mにまでもなりますので、引き揃えたシートはドラムに巻きつけた筒状の状態で取り扱って織機に取り付けます(経巻き)。この状態
のものを現場では通称「おまき」と呼んでいます。
小拵え(こごしらえ)
小拵えとは次に1本1本の経糸を織機に通す工程のことです。この工程には「綜絖通し(そうこうとおし)」と「筬通し(おさとおし)」という作業が
あります。
「綜絖通し」という作業ですが、これは綜絖(そうこう)という織機に備わっている金属性の用具に経糸を1本1本通す作業です。この綜絖の真ん中に糸を 通す穴があり、そこに糸を通した状態の綜絖を二群に分かって上下運動をさせ、それにより経糸が上下二層に順次分かれていき、緯糸を挿入させる状態を作 り上げるものです。
次に「筬通し」という作業を行います。筬(おさ)という用具は金属製の櫛状になっていて上下を固定して糸が通る細い隙間になっています。この隙間を筬 羽(おさは)と言い、経糸をこの筬羽に通す作業が筬通しです。この筬羽に何本の経糸を通すかで織物の経糸密度が決まります。また、実際の織りの作業に おいては、この筬が前後に往復運動することによって、挿入された緯糸を打ち込んで経・緯を密に織る事ができます。
上げ枠
糸は一般的に枠周3尺6寸5分または4尺5寸の長さで数千回転分の長さになっています。このひと束を綛(かせ)と言います。つまり、枠に糸を何周
にも巻きつけるので丸い円状になります。この円状の円周の長さを枠周と呼び、何周巻きつけたかの数が回転数もしくは回数となります。織りをするに
当たっては、この糸の規格を、織機の規格に合わせる必要があります。そこで六角形の形をした枠に巻きなおします。絹糸を使う米沢産地ではこの六角
枠が主流ですが、糸や産地によっては四角い枠を使う場合もあります。
杼(ひ)
「シャトル」とも呼びます。木製の弾丸状のもので、これが左右に往復運動しながら緯糸を経糸の間に織り込んでいきます。それで、綜絖の上下運動で
経糸が上下二層に分かれた間を杼口(ひぐち)と言います。杼の中は空間が空いていて、その中に管(くだ)が通してあります。その管に六角枠の糸か
ら必要な分だけを巻きつけて管を杼の中にセットします。こうして、「綜絖の上下運動」と「杼の左右運動」と「筬の前後運動」とにより織物が織り上
がりっていきます。
織物組織の基本となる三つです。
平織り(ひらおり)・綾織り(あやおり)・朱子織り(しゅすおり)の3種類があります。